東北復興支援キャラクター「東北ずん子」のスゴイところ

東北ずん子スタンプラリー実行委員会は恐らく最も「東北ずん子」を活用してきた東北の団体なんじゃないかと思います。そんな我々が考える「東北ずん子」のスゴイところをユーザー視点でまとめてみました。

申請ナシ監修ナシで商用利用可能の衝撃

東北ずん子は、東北企業であればイラストを無料で商用利用できる東北を盛り上げるためのキャラクターです。でも、本当にスゴイのは申請ナシで監修ナシで利用できる点だと思うんです。

例えば、テレビアニメ化したキャラクターの商品を発売しようと思ったら、とても大変。アニメ制作会社さんとのやり取りに慣れていない会社だと時間もお金もかかってしまいます。アニメ制作会社さんは作品の持つイメージを守る為に商品のパッケージやラベルのデザインを監修したりするのですが、お忙しい担当者の方が多いので、すぐに返事が返ってくるとは限りません。なかなかOKがもらえず監修をお願いしている間にアニメ放送が終わってしまったという事が実際にありました。何回もデザイン修正をするので時間もお金もかかってしまって投資回収できないうちに販売終了ということが良くあると思います。
これらの苦労もテレビアニメ化したキャラクターなら効果も絶大なのでまだ頑張れますが、効果がそれほど期待できない地元のゆるキャラを利用する場合も申請が必要な場合が多いと思います。申請が面倒だったり時間がかかってしまうと商品開発の熱も冷めてしまいますよね。

だから申請ナシ監修ナシで利用できるというのは尊いのです。凄いスピードで商品開発ができるのです。

だから白石市は「東北ずん子」推しになった

上記のアニメコラボ商品の苦労話は白石市で実際にあった話です。白石市のアニメコラボの取り組みは2008年頃からやってますので、現在までの間にいろんな苦労があったわけです。東北の田舎ですからアニメコラボをする体力のある会社は限られています。興味はあるものの手が出せなかった小さな商店が多かったですね。だから東北ずん子ちゃんのスゴさがわかる人が多くて、結果的にずん子推しのまちになったんだと思います。

監修ナシの難しさ「ずん子愛」が試される

もともとアニメ制作会社さんが監修をするのは作品の持つイメージを守る意味合いが大きいと思います。だから厳しい監修を突破した製品はファンに受け入れられる可能性が高いのですが、東北ずん子の場合はその監修が無いので本当にファンの心を掴んだ商品開発ができるかどうかは使う側次第なところがあると思います。ずん子ファンの皆さんによって「ずん子愛」があるかどうか試されるのです。(と言っても過剰に心配する必要はありません。ずん子ファンの皆さんは優しいので、どこがダメなのか教えてくれます。)
私はずん子ファンの皆さんの自浄作用を信じて監修ナシでも大丈夫と判断したずん子運営さんがスゴイなと思うのです。

二次創作物も商用利用できる

さらにスゴイのが二次創作が商用利用できるというところ。せっかくキャラクターとコラボするのであれば自分のところの製品を使わせたり食べさせたりしたい!イラストをただ貼っただけだと面白く無いですよね。公式絵だけだと難しいけど、ずん子絵師さんにお願いして描いてもらえばそれも可能です。

他のキャラクターの場合はかなりハードルが高くてイラストを使わせてもらう程度のコラボが限界でした。新たにイラストを描いてもらうレベルのタイアップは普通の企業ではちょっと難しいですよね。東北ずん子はそれが手の届くところにあるので、コラボするならば是非二次創作にチャレンジして欲しいです!

やっぱりガイドラインがあるのは有り難い

最近は行政の方からも「アニメとコラボしませんか?」っていう話が多くなりました。大変有り難いことです。ただ、その都度「提供された画像にどの程度文字を重ねて良いのか」「トリミングは良いのか」「背景はこちらで用意したものを使って良いのか」とか確認しなければならない事がたくさんあります。過去の白石市の例だと代理店さんが間に入って進めなければならない場合があって、その辺の質問が伝言ゲームになってしまってアニメ制作会社さんの意図が掴みづらく「とりあえずデザイン案を出してみて様子をうかがう」という非効率な方法を取らざるを得ない場合がありました。東北ずん子はガイドラインがあるので迷いません。

※東北ずん子のキャラクターガイドライン http://zunko.jp/guideline.html

日本全国の同志とつないでくれる

ある程度ずん子ちゃんに関わった人たちが到達する境地だと思うのですが「ずん子ちゃんがつないでくれた」という感覚なんですね。自然発生的に全国各地で東北ずん子とコラボしている人たちとイベントなどを通してつながることができるところがスゴイと思います。ずん子運営さんも把握していないつながりが各地で形成されていると思います。もちろん白石市内でもスタンプラリー期間中も参加店とファンとの間、参加店やファン同士で新たなつながりができています。何故ずん子ちゃんの時だけこんな感覚になるのか良くわからないのですが、東北ずん子のコンセプトに共鳴している人に良い人が多いからなんだろうなと何となく思っています。今からでも遅くありません皆さんもつながってみませんか?